ゆ 結いの心
「結」・・・家、相互間で、総務的に力を貸しあう労働慣行。また、それをする人。
田植え、稲刈りの時に行われる。手間換え。(デジタル大辞泉より)
私がまだ若かりし頃(子供の頃)のこと、この「結いの心」があったような気がする。 田植えや稲刈りの季節になると、順番が決まっており、お互いの家の手伝いをしあう。 金銭的にどうのこうのではなく、人の手を借りたり貸したり・・・ということであった記憶がある。 忙しい時には猫の手も借りたいというが、猫の手よりも少しはましな、子供の私も借り出されていた。 たいした手伝いも出来ないが、今となってはいい体験だったし、勉強になっていると思う。 「結いの心」という本を書き、自分の住むまちをいいことで有名にした町長さんがいる。 宮崎県綾町(あやちょう)。郷田 実 元町長である。 本のタイトル「結いの心」~綾の町づくりはなぜ成功したのか~ (ビジネス社・1,575円・税込み) まちが貧しく、「夜逃げのまち」といわれるくらい、朝起きると人が居なくなっていた。 そんな九州の、片田舎の出来事。 昭和41年7月に町長に就任してから、「村おこし、町おこし」の先駆的モデルといわれるまでの、町のトップとしての苦悩と戦い、喜びが語られている。 人口7,000人前後の町に、年間120万人の人が訪れるようになった。 世界一の吊橋・国内最大の照葉樹林・本物の物づくり・生態系農業(有機農業)と、素材があり、それを最大限活かす町づくりを始めた。 その成果でもある。 何年か前に(記憶がはっきりしない)、綾町の照葉樹林の森を、世界遺産に登録しようという話が持ち上がった。 そして、その森に鉄塔を建てる、建てないで、新聞をにぎわしたことがある。 建てたら世界遺産には登録できないし、建てなかったら生活にとって・・・と、言っていたが、世界遺産に登録されていないということは、あの美しい森にきっと鉄塔が建ったのだろうか? 今、政治の世界が賑やかだ。 住民自治や、住民一人ひとりの自主自立を大切にした首長として、素晴らしい人の一人であることは間違いない。 残念ながら、ご紹介した本は、もう書店では手に入らないようであるが、増補版として・・ 「結いの心」~子孫に遺す町づくりへの挑戦~郷田実・郷田美紀子(娘さん)共著がある。 人が気持ちよく暮らすとはどうあるべきか、地域や町とはどうあるべきなのか、そして、無くしかけている日本の「結いの心」がどんなものなのか? これからも持ち続けるために、今を生きている自分は何をすればいいのか? 祖先から頂いた(与えてもらった)自然の素晴らしさを壊すことなく、より良くしようとする努力。 便利さに押し流されて、不便を悪としていないか? 自分の周りの人を、疎ましく感じていないか? 生きていることだけでも、人のお役に立っている、そう思える社会を取り戻していきたい。 私が「結いの心」を書き始めたのが昨日、偶然ではあるが今日(2009・12・7)の北陸中日新聞朝刊に、宮崎県綾町の照葉樹林のことが記事として載っていた。 一人の首長で、そこの自治が変わる。 『たかが一人、されど一人』無関心ではいけない政治の世界。 自分の住んでいる地域が、よくなるか悪くなるかは自分にかかっている?! 今の私はどっちかな? 「結いの心」・・・心と心が通じ合うこと。人と人との交流を楽しむこと。自然を愛し文化を愛する心を共有している思い。(本の中より)
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